東独にいた|あらすじと見どころ

『東独にいた』は、宮下暁先生のデビュー作です。舞台は、ベルリンの壁で東西に分断されていた時代の東ドイツ。 国家の秘密を抱えた女性と、古本屋を営む青年の恋が、思想と闘争の渦に飲み込まれていきます。 恋愛、スパイもの、アクション、そして歴史劇。いくつもの要素がひとつの舞台で交わる作品です。
このページは、単行本の公式紹介文で明かされている序盤の設定までで書いています。物語の核心には触れません。

あらすじ(ネタバレなし)
第二次世界大戦に敗れたドイツは、東と西の2つの国に分かれました。物語の舞台は、そのうち社会主義体制の東ドイツ。 東ベルリンで暮らすアナベルは、古本屋を営む青年ユキロウにひそかな想いを寄せています。
けれどアナベルには、ユキロウにさえ打ち明けられない秘密がありました。それは国家の陰謀にかかわるもの。 穏やかな古本屋での時間の外側では、体制を守ろうとする者と、体制を壊そうとする者の争いが静かに広がっていきます。 時代と思想、そして闘争が、二人のあいだに見えない「壁」を築いていく――というのが物語の入り口です。
『東独にいた』の見どころ
1. 壁のある国で育つ、打ち明けられない恋
公式に「恋と闘争の物語」とうたわれているとおり、物語の芯にあるのはアナベルとユキロウの恋です。 自由に話すことも、自由に国を出ることもできない社会で、相手を想う気持ちと、隠さなければならない立場がぶつかり合います。 壁のある国だからこそ生まれる、この舞台ならではの恋です。
2. 「正しい世界」と「世界の正しさ」がぶつかる群像劇
物語には、テロリストの殲滅を目的とする国家の超人部隊〈MSG〉と、反政府組織〈フライハイト〉という二つの勢力が登場します。 どちらにも、それぞれの信じる正義があります。一方を単純な悪として描かず、どちらの側の人間にも理由と覚悟があるからこそ、衝突のたびに重みが生まれます。
3. 史実の舞台に、フィクションの「超人」を重ねる大胆さ
ベルリンの壁や社会主義体制といった実在の歴史を背景にしながら、超人部隊という大胆なフィクションを持ち込んでいるのも本作の特徴です。 重厚な歴史劇として読めるのに、アクション漫画としての迫力も味わえる。このバランスが『東独にいた』ならではの読み味になっています。 時代背景を少し知っておくと、さらに楽しめます(冷戦・東ドイツの基礎知識)。
主な登場人物と勢力(序盤)
- アナベル(アナ)
- 東ベルリンに暮らす女性。古本屋のユキロウに想いを寄せているが、国家にかかわる秘密を抱えている。
- ユキロウ
- 東ベルリンで古本屋を営む青年。アナベルの想い人。
- MSG
- テロリストの殲滅を目指す、東ドイツの超人部隊。
- フライハイト
- 東ドイツの体制に抗う反政府組織。リーダーは「フレンダー」と呼ばれている。
人物の詳しい紹介は登場人物まとめへ。
こんな人におすすめ
- 冷戦期のヨーロッパ、スパイもの、歴史ものが好きな人
- 立場の違う二人が惹かれ合う、切ない恋愛ものが好きな人
- 敵味方どちらにも正義がある、骨太な群像劇が読みたい人
- まだ多くの人に知られていない、隠れた名作を探している人
作品データ
| 作者 | 宮下暁(ちばてつや賞を受賞し、本作でデビュー) |
|---|---|
| 出版社 | 講談社 |
| レーベル | ヤンマガKCスペシャル |
| 掲載 | 『ヤングマガジンサード』2019年第6号から連載。2021年5月から『ヤンマガWeb』『コミックDAYS』に移籍 |
| 単行本 | 既刊5巻(第1巻:2019年12月20日発売、最新の第5巻:2021年8月19日発売) |
| ジャンル | 歴史劇・恋愛・アクション |
出典:講談社『東独にいた(1)』、講談社『東独にいた(5)』、ヤングマガジン公式サイト(最終確認日:)
よくある疑問
『東独にいた』は何巻まで出ている?
講談社から第5巻まで刊行されています。最新の第5巻は2021年8月19日発売です。 各巻の発売日は全巻リストにまとめています。
完結した? 打ち切り?
作者の宮下暁先生は、Xのプロフィールで『東独にいた』を「休載中」としています。打ち切りや完結の発表は確認できていません。 詳しくは連載状況まとめをご覧ください。
どこで読める?
講談社の漫画サイト「コミックDAYS」で第1話を無料で読めます。単行本は紙版と電子版の両方が出ています。
